御所巻(ごしょまき)―世田谷区史編さん問題―

御所巻とは、中世の異議申し立て方法のことを言います。世田谷区による区史編さん委員へのパワハラと著作権の問題についてのブログです。出版ネッツのメンバーが運営しています。

4月8日都労委での和解決裂 世田谷区、著作権尊重の和解案にまさかの対応

 4月8日東京都労働委員会の第6回調査では、前回(2月29日)に都労委が示した和解案をベースに、合意・解決に向けてのすり合わせが行われる流れになっていました。ところがいったん持ち帰った都労委和解案を、世田谷区が全否定してきたために和解は決裂。今後、審問(裁判でいう証人尋問のようなもの)へと進むことになりました。

 都労委和解案は、①著作権著作者人格権の尊重、②ハラスメント防止対応、③本件申し立てがなされた経緯についての遺憾の意(要旨)の3項目。谷口さんと組合が求めてきたことに大筋で理があると都労委の公労使委員も受け止めた内容でした。

 世田谷区は①について、「編さん委員との間で具体的な執筆原稿の修正方法を相談・検討する」と記載すべきと主張して、「著作者人格権不行使」条項の削除を認めようとしません。この間、「著作者人格権」が著作者にとって命や人権の問題であることが知られるようになっていますが、頑なにこれを拒否し、あくまでも谷口さんを排除しようとする世田谷区に憤りを禁じることができません。

 世田谷区が、区史を刊行してしまえば「解決」になると考えているなら、そうはいきません。私たちは、区民の会とタッグを組んで、世田谷区史問題を広く社会に訴えていくつもりです。今後ともご支援とご注目をお願いします。

(杉村和美)