御所巻(ごしょまき)―世田谷区史編さん問題―

御所巻とは、中世の異議申し立て方法のことを言います。世田谷区による区史編さん委員へのパワハラと著作権の問題についてのブログです。出版ネッツのメンバーが運営しています。

支援メンバーの日記

実効確保の勧告を申し立て 〜 1月10日に第4回都労委調査〜

2024年1月10日、東京都労働委員会で第4回調査が行われました。 組合は、「審査の実効確保の措置勧告の申立書」(以下、「実効確保の申立」)と、書証として木更津市史編集委員会の「著作権の取り扱いについて」、文化庁著作権契約作成支援システムを活用した…

世田谷区、話し合いを拒否 ~次回調査期日は2024年1月10日~

11月17日、組合側は「準備書面2」を提出するとともに、世田谷区史編さん事案をこれまで担当されてきた公益委員と労働者委員の任期の切れる11月末までに話し合いのテーブルを設けるところまで進めることができないか、労働委員会に相談をしたところ、あっせん…

11月6日都労委第3回調査報告 ~組合側、話し合いでの解決を提案~

11月6日、東京都労働委員会で第3回調査が行われました。これに先立つ10月30日、世田谷区側が「準備書面1」を提出していました。主な内容は、次のとおりです。 ① 区史編さん委員の任期は「区史編さんの終了まで」 谷口さんへの区史編さん委員委嘱状は、当初…

不行使特約、歯止めはどこに 〜国際著作権法学会(ALAI)日本支部が研究大会〜

ALAI研究大会 フランスの文豪ビクトル・ユーゴーを名誉会長に結成された国際著作権法学会ALAIの日本支部は、2023年12月9日、「著作者人格権の不行使特約は可能か」をテーマに一橋大学で研究大会を開いた。この会は、世田谷区が区史編さん委員に著作者人格権…

改めて考えてみる「著作者人格権」の存在意義

今回の争点の1つが、歴史学の専門家として世田谷区史に寄稿した谷口氏の原稿を、区の職員が改変することの是非についてである。 著作権は、「著作財産権」と「著作者人格権」に分かれる。前者は誰かに譲ることも、権利を保持したままライセンスをすることも…

関東大震災から100年―福田村事件、烏山事件と世田谷区史編纂問題―

世田谷区史編纂問題が広く取り上げられることとなった2023年は、関東大震災から100年目にあたる年である。関東大震災(9月1日)は10万人を超す死者・行方不明者を出した甚大な災害だが、同時に、朝鮮人・中国人などに対する殺傷事件を誘発した点で強烈な出来…

熱い討論の場となった緊急シンポ

7月15日に開かれた緊急シンポジウム「歴史研究と著作権法」は、自治体史を執筆する歴史研究者と著作権法の研究者をはじめ、さまざまな分野の研究者や実務家が登壇され、また会場からの発言も活発な熱い熱い学びの場だった。どの方の問題提起もそれぞれに示唆…

「歴史研究と著作権法」シンポジウムの感想

7月15日の「歴史研究と著作権法」のシンポジウムを聞きに行きました。私は日本史が好きなので、登壇された歴史研究者の方々のお話はとても興味深いものでした。今回のシンポジウムで「研究者は歴史記述の学術的精確性・妥当性に責任を持つ」「著書に誤りがあ…

他の自治体でも著作権無償譲渡の契約書

漫画家の近藤ようこさんが、自治体から「無償で著作権の譲渡」と明記している契約書を提示されたとTwitterに投稿していました。 https://twitter.com/suikyokitan/status/1670958818891796481 https://twitter.com/suikyokitan/status/1671161092972904450 …